光の中で

これは兵庫県三田市の運送会社に勤務し トラックに乗っていた頃の話。

会社は 市街地から かなり離れた山間の地にあります。

十年ほど前の6月のある夜
その日の昼間は 時折 雨が降っていて、
大阪での仕事を終え帰路に着いたときは この三田辺りには薄いもやがかかっていました。

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トラックを駐車場に停めて事務所への階段を上がろうとした途端、
急に 辺りが真っ暗になりました。

会社周辺一帯が停電…!

後で聞いた話によれば 近くの送電線に鳥が引っかかったのが原因らしいです。

その夜は 僕のトラックが最後の帰社便だったので もう誰も事務所にはいません。
「日報も書けないし、タイムカードも押せないな」と溜息をついた瞬間、
目の前を ゆらゆらと動く小さな光が目に入りました。
一つの光は やがて二つ三つ…
そして 次第に数えるのが困難なほどに幾つにも重なって見えます。

「蛍だ…! しかも大群!!」

会社から少し足を伸ばせば ホタル鑑賞ができる人気のスポットがありますが、
まさか こんな場所で これほどの蛍を見られるとは思ってもみませんでした。

周りの民家の灯かりや 街灯も消えて、
いつもなら害虫が集まってくる駐車場を照らす投光器の光も当然ありません。

一時の[光のショー]に感嘆しながら ふと夜空を見上げました。
先程までの もやが まだ薄く漂っているようでした。
南天の夜空から その もやのカーテンを透かして
ひときわ光る赤く明るい恒星が目に入りました。
アンタレスだ… オリオンの天敵[さそり座]のα星。

暗闇に目が慣れ始めたころ、2階建社屋の屋上へと向かいました。
手摺から見下ろせば まだ蛍の[光のショー]は続いています。
そして、何時の間にか もやも消え 見上げれば無数の星々が…!
天の川までが くっきりと映っていました。
上と下で 自然の光に癒されるひととき。

僕は 屋上の真ん中で寝そべり、満天の空を見上げ
暫しの空想にふけながら… いつしか そのまま眠ってしまいました。

そして どれくらい眠ったことでしょう。
既に東の山間から光が射し始め 夜明けの到来と共に目覚めてしまう結果に。

まもなく またトラックに乗って走らなければならないという現実は酷でしたが
この一夜の感動は大きかったです。
ただ、こんな時期に風邪をひいてしまい大変でしたけど。

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Tag:ホタル 天の川 銀河 兵庫県 三田市 乙原 綺麗

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